「ローマ帝国編」~第8話~ 静かなる後継者争い

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「ローマ帝国編」
 ~第8話~ 静かなる後継者争い



 紀元前46年     カエサルがユリウス暦をつくる。
 紀元前44年     カエサルが「終身の独裁官」となり、元老院から
             インペラトル(軍最高司令官)の称号をおくられる。
 紀元前44年     カエサルが共和派に暗殺される。
           



 =第二次三頭政治=


 元老院はカエサルが死ねば、市民は共和制を支持し、復活できると考えてい
 た。ところが、市民たちの反応は複雑なものだった。
 
 市民の反応は、カエサルの暗殺が、独裁者からの解放という大義名分には、
 敬意をあらわしつつも、カエサルに対する悲しみも、かくそうとしなかった
 のである。

 カエサルが暗殺されてから4日後の3月19日、カエサルの遺言状が公表され、
 彼の姪の子オクタヴィアヌス(後のアウグストゥス皇帝)が養子、相続人に
 指名され、さらにローマ市民一人一人に、金が贈られるというものだった。

 ローマ市民は、このカエサルの遺言状に恩を感じ、暗殺者に対して敵意を
 あらわすようになった。

 さらには、カエサルの側近であったアントニウスの追悼演説で、
 「災いなるかな、血に染まった白髪よ。あわれなるかな、孔だらけの上衣よ」

 こう叫ぶと刃に引き裂かれ血まみれになったカエサルの上衣を高くかかげて
 アントニウスは演説を閉じたのである。

 この追悼演説が、復讐への扇動となり、興奮した市民たちは、腰掛や机を
 手当たりしだい、遺骸の火に投じたうえ、燃えさかる薪をおもいおもいに
 つかんで、暗殺者の家の焼き討ちにかかった。

 この予想外の状況に慌てたブルートゥスとカッシウスは、首都を逃げ出した。

 
 カエサル暗殺を遠征先で知った、後継者に指名されたオクタヴィアヌスは、
 ローマへと舞い戻った。

 そこで、アントニウスに冷たいあしらいを受ける。
 そう、アントニウスは、百戦錬磨の戦死であり、カエサルと共にコンスルを
 務め、自分が後継者に指名されると信じていたからだ。

 しかし、カエサルの目に狂いはなかった。オクタヴィアヌスは優れた才能を
 徐々に明らかにしていくにつれ、アントニウスは彼を恐れ始めた。

 このとき、アントニウスは38歳、オクタヴィアヌスは18歳と、20歳も年の差
 が離れていた。

 この微妙な空気を救ったのが、カエサルの同僚でコンスルであるレピドゥス
 だった。

 オクタヴィアヌスとアントニウスよりも、劣勢に感じていたレピドゥスは、
 二人の険悪な雰囲気を利用して、二人の間に入り、三人でローマを治める
 ことを提案した。

 二人はこれに同意して、第二次三頭政治が始まったのである。
 
 
 
 =暗殺者たちへの復讐=

 
 三頭政治は、カエサルを亡き者にした元老院派の徹底粛清に乗り出した。

 2000人以上が逮捕され、全財産を没収された。関係者の中には、逃亡を
 企てる者もいたが、約1000万円という賞金がかけられていたため、次々
 に捕まり、処刑された。
 
 また首謀者であるブルートゥスらの暗殺者は、ギリシャ地方で大軍を集
 め、戦備を急いだが、アントニウスとオクタヴィアヌスは、紀元前42年
 マケドニアのフィリピにおいてこれを破った。

 そこでブルートゥスもカッシウスも追い詰められ、自殺した。
 そして、共和制を支持する元老院派は、その中心人物と武力を失ったの
 である。

 

 =アントニウスとクレオパトラの出会い=


 さて、カエサルと共にローマにいたクレオパトラだったが、カエサルが
 暗殺されると、彼女は秘密の出口から間一髪逃れ出ることに、成功した。
 彼女は故郷であるアレクサンドリアに舞い戻ったのである。

 さて、三頭政治は、カエサルの復讐が終わると、3人はいざこざを避け
 るために、ローマの属州を分担して、統治することにした。

 このときアントニウスが選んだのが、クレオパトラのいるエジプトだっ
 た。意図的に選んだのか偶然なのかは分かりませんが(笑)

 カエサルという後ろ盾を失い、途方に暮れていたクレオパトラ・・・
 しかも彼女は、カエサルを暗殺した首謀者カッシウスに資金援助をして
 いたのである。

 そのことの弁明を聞くため、アントニウスはクレオパトラを呼びよせた。
 
 黄金の船に乗って、賑やかな楽の音とともに入港した彼女は、たちまち
 アントニウスをとりこにした。

 クレオパトラの女盛りの美しさに加え、頭の冴えも東方隋一の大国の女王
 が、ありったけの魅力を発散し、手管によりをかけ、金に糸目もつけずに、
 口説き落としたのだから、アントニウスもたまったものではない。

 アントニウスはそのままアレクサンドリアから離れられなくなってしまっ
 た。ここで夜となく昼となく、二人は愛し合い、アントニウスはクレオ
 パトラに完全に飼育されてしまったのである。女って恐いですねえ~

 アントニウスは、大変な石につまずき人生を変えるばかりか、後継者争い
 から、遠ざかっていくのであった・・・つづく

 

 さて、次回第9話は、「アントニウスとクレオパトラの死」をお送りします。
 オクタヴィアヌスは着々と覇権を握るために、邁進していた。それなのに
 アントニウスは、クレオパトラと愛の生活を呑気に続けていたのである


第9話「アントニウスとクレオパトラの死」↓
http://kazanami.at.webry.info/200710/article_15.html

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