第25話 歌を詠う、雄略天皇の、のどかな治世
古事記は素敵なファンタジー
前回まで、仁義なき戦いが繰り広げられていたが、
混乱を乗り越えたオオハツセが、雄略天皇となる
治世は、一転して、のどかなものでした・・・
あるとき、天皇は、河内から生駒山に向かっていた。
その道中に、なんとも壮大な屋敷を見かけた。
雄略天皇は、その天皇家の館と遜色ない屋敷を見て、
なんと、「火を放て」と一言・・・相変わらず激しい(笑)
しかし、館の住む者から謝罪と、犬が贈られると、
これに免じて、許したのである(少しは情けもあるようで)
さて、天皇が生駒山に向かっている目的は、昔、安康天皇
が話しを進めようとしていたワカクサカベに、会うためで
ある。
天皇はワカクサカベに会うと、先ほど手に入れた犬を贈り、
仲むつまじく時を過ごしたという・・・
そして歌を詠んだ。
こちら日下部の山 あちら平群(へぐり)の山
山のあいまに 繁り立つ葉広の樫の木
その根本にいくみ竹が繁り
やがてしっかりとした、たしみ竹となる
いくみ竹と言えば、いくども寝ないで
たしみ竹と言えば、たしかには寝ないで
私が帰ったあとで、寝ようとする妻よ、いとおしい
意味は分かりづらいけども、最後の一文にワカクサカベの
献身的な様子が、感じられる・・・
またある時、美和川(奈良県桜井市西部)で衣を洗っている
少女に向かって、「近いうちに召し上げよう」とだけ
告げて立ち去った。
ところがなんと、80年もの歳月が経ち、その少女はずっと
天皇を待ち続けていたのである(ホントかいな)
せめて、そのことを天皇に示そうと、進物を持って天皇の
もとへやって来た。
しかし、天皇は全然記憶にない(そりゃそうだ)
「どこの婆さんだ」という始末・・・
しかし、彼女はアカイコという名を告げて、当時を振り返って
話しをした。
すると、天皇は思い出したかは分からないが、アカイコを
憐れに思い、たくさんの贈り物と、歌を詠んだ。
歌を贈られたアカイコは、涙を流し、赤く染めた衣の袖を
すっかり濡らしてしまったという・・・
他にも、吉野川の川べりで出会った乙女に、舞を舞わせ、
自分は琴を弾いた逸話も残っている・・・
また、神話的なエピソードも残されている・・・
葛城山で以前に、天皇が大きなイノシシを射止め損なった
ために、イノシシを怒らせてしまい、木の上に逃れて命拾い
をしたことがあった。
後日、葛城山に再び、登ったときは、大勢の家臣に青い衣と
赤い紐を身につけて伴わせた。
しばらく進むと、天皇と全く同じ行列に遭遇する・・・
なんと、鏡でも写したかのように、顔まで同じ・・・
こちらが言葉を発すると、同じ言葉が返ってきた・・・
また弓を持てば、あちらも同じ行動をする・・・
すっかり困ってしまった天皇は、名を尋ねたところ、
「私は、ヒトコトヌシの大神だ」
なんと、神託を示す神であるヒトコトヌシの神が、姿を現した
のである・・・通常では考えられない現象である。
さすがの雄略天皇も、神様には逆らえない・・・すぐに
お許しを請うと、衣装や弓などを差し出した。
ヒトコトヌシの神は、葛城氏の祀る神であったことから、天皇が
ツブラノオホミの滅んだ後の葛城勢力を、完全に支配下においた
ことを、示したことの意味だと、考えられている。
血みどろの仁義なき戦いの時代を送った雄略天皇であるが、
天皇になってから晩年までは、のどかな生活だった。
そして、雄略天皇は124歳で亡くなった・・・
=次回予告=
「最終話 父の復讐に燃えた兄弟の物語」
今まで、長いことお付き合い下さいまして、ありがとう
ございました。次回最終回です↓
http://kazanami.at.webry.info/200704/article_14.html
前回まで、仁義なき戦いが繰り広げられていたが、
混乱を乗り越えたオオハツセが、雄略天皇となる
治世は、一転して、のどかなものでした・・・
あるとき、天皇は、河内から生駒山に向かっていた。
その道中に、なんとも壮大な屋敷を見かけた。
雄略天皇は、その天皇家の館と遜色ない屋敷を見て、
なんと、「火を放て」と一言・・・相変わらず激しい(笑)
しかし、館の住む者から謝罪と、犬が贈られると、
これに免じて、許したのである(少しは情けもあるようで)
さて、天皇が生駒山に向かっている目的は、昔、安康天皇
が話しを進めようとしていたワカクサカベに、会うためで
ある。
天皇はワカクサカベに会うと、先ほど手に入れた犬を贈り、
仲むつまじく時を過ごしたという・・・
そして歌を詠んだ。
こちら日下部の山 あちら平群(へぐり)の山
山のあいまに 繁り立つ葉広の樫の木
その根本にいくみ竹が繁り
やがてしっかりとした、たしみ竹となる
いくみ竹と言えば、いくども寝ないで
たしみ竹と言えば、たしかには寝ないで
私が帰ったあとで、寝ようとする妻よ、いとおしい
意味は分かりづらいけども、最後の一文にワカクサカベの
献身的な様子が、感じられる・・・
またある時、美和川(奈良県桜井市西部)で衣を洗っている
少女に向かって、「近いうちに召し上げよう」とだけ
告げて立ち去った。
ところがなんと、80年もの歳月が経ち、その少女はずっと
天皇を待ち続けていたのである(ホントかいな)
せめて、そのことを天皇に示そうと、進物を持って天皇の
もとへやって来た。
しかし、天皇は全然記憶にない(そりゃそうだ)
「どこの婆さんだ」という始末・・・
しかし、彼女はアカイコという名を告げて、当時を振り返って
話しをした。
すると、天皇は思い出したかは分からないが、アカイコを
憐れに思い、たくさんの贈り物と、歌を詠んだ。
歌を贈られたアカイコは、涙を流し、赤く染めた衣の袖を
すっかり濡らしてしまったという・・・
他にも、吉野川の川べりで出会った乙女に、舞を舞わせ、
自分は琴を弾いた逸話も残っている・・・
また、神話的なエピソードも残されている・・・
葛城山で以前に、天皇が大きなイノシシを射止め損なった
ために、イノシシを怒らせてしまい、木の上に逃れて命拾い
をしたことがあった。
後日、葛城山に再び、登ったときは、大勢の家臣に青い衣と
赤い紐を身につけて伴わせた。
しばらく進むと、天皇と全く同じ行列に遭遇する・・・
なんと、鏡でも写したかのように、顔まで同じ・・・
こちらが言葉を発すると、同じ言葉が返ってきた・・・
また弓を持てば、あちらも同じ行動をする・・・
すっかり困ってしまった天皇は、名を尋ねたところ、
「私は、ヒトコトヌシの大神だ」
なんと、神託を示す神であるヒトコトヌシの神が、姿を現した
のである・・・通常では考えられない現象である。
さすがの雄略天皇も、神様には逆らえない・・・すぐに
お許しを請うと、衣装や弓などを差し出した。
ヒトコトヌシの神は、葛城氏の祀る神であったことから、天皇が
ツブラノオホミの滅んだ後の葛城勢力を、完全に支配下においた
ことを、示したことの意味だと、考えられている。
血みどろの仁義なき戦いの時代を送った雄略天皇であるが、
天皇になってから晩年までは、のどかな生活だった。
そして、雄略天皇は124歳で亡くなった・・・
=次回予告=
「最終話 父の復讐に燃えた兄弟の物語」
今まで、長いことお付き合い下さいまして、ありがとう
ございました。次回最終回です↓
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